建築から見た日本

建築から見た日本

その歴史と未来

上田篤+縄文社会研究会/編著

2,800円(+税10%)

ISBN:9784306046818

体裁:四六・344頁

刊行:2020年10月

木の柱は日本文化——縄文から今日に至るまで、木の柱は時代を超越した日本の重要な建築文化だった。木造建築と日本の未来を考える。

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  • はじめに
  • 序章
  • I イエ
  • 01 縄文百姓縄文人は泥海の高みに一万年以上住み「士農工商」の何でもやる、いわば百姓だった
  • 02 縄文祭柱縄文の男は夢と命を懸けてグレートハンティングし、祭事に柱を立て、一致団結した
  • 03 民家不変縄文以来、日本の民家は自然に適応し、今日までその姿や形をほとんど変えていない
  • II ムラ
  • 04 日本海帯東の青森から西の下関までの「日本海千キロ」は縄文・弥生時代の情報交通ベルトだ
  • 05 弥生戦国大陸難民が日本渡来。九州、瀬戸内、近畿、日本海で次々動乱発生。豪族国家誕生す
  • 06 東西出雲胡族と海人族の子の天照が高天原で稲を知り西出雲と大和で泥海日本を稲田日本にす
  • 07 川分作村神功皇后は那珂川上流で川を分け、雷神を呼び、岩を蹴裂いて神の田と村とを作った
  • III ミヤ
  • 08 裂岩拓野大和纏向で一人の巫女が岩を蹴裂き湖面を下げ、杭を打ち沃野にする「鬼道」実践す
  • 09 倭人造墳倭の大王や海人族達が日本各地の岩を蹴裂いて湿地を拓き、古墳を作り、豪族化した
  • 10 飛鳥多宮天照の超自然力を持つ大王は一代限りの王で、飛鳥各地に多数の宮を作っては消えた
  • 11 伊勢天原ヒメヒコ制が崩れて天照派は大和を去り、伊勢に山居し、高天原的百姓世界を作った
  • IV ミヤコ
  • 12 諸都無壁四方山囲・地政学的立地、「稀人待望」の王権のあり方から京都に城壁を無用とした
  • 13 仏塔不倒五重塔は心柱中心の複雑構造。棟梁達は十分の一雛形模型で検証して地震不倒とした
  • 14 出雲巨宮出雲大社の建築に謎が多く、沢山の学者が取り組んできたが今後も研究は続けられる
  • 15 家内脱靴日本の家には神様が庭、縁側、座敷、常居を経て神棚に来臨。ために家内脱靴となる
  • V シロ
  • 16 名田立士谷地等を自力開拓した百姓は田に名を付け、刀と館と寺と山城を持って武士になった
  • 17 城堅町脆戦国武士は城を不燃堅牢にしたが、城下の家々は「自焼き」のために可燃脆弱にした
  • 18 川除立国天下を取った家康は京大阪に行かず利根川東遷、荒川西遷し、関東平野を沃野にした
  • 19 婆沙羅椅神様来臨で人々は床に這いつくばったがバサラは拒否。椅子に拠ったが続かなかった
  • VI マチ
  • 20 水網結邑地勢学上、日本は道路未発達。河川が地域を結び、村、町、社、寺が結び目になった
  • 21 結庵解原室町時代に多くの僧、商人、武士達が市中の山居で対話や対禅をし、心身爽快にした
  • 22 弱屋強家火事や大風には京町家は強く江戸長屋は弱いが、それは神様の在、不在のせいだろう
  • 23 天武百巴日本歴史は天皇と武士と百姓の三つ巴で展開されてきたが、明治維新後百姓は消滅か
  • VII トシ
  • 24 嫌木好鉄明治政府は「和魂の建築」を捨て「洋才の建築」を進めたが、建築界は今なお混迷中
  • 25 民愛木宅庶民は近現代にも和風木造住宅を愛し、郊外に「庭付き一戸建て住宅」を建て続けた
  • 26 防災人和建物が木でも石でも防災の要は住民の和にあり、それが失われると地域は不安になる
  • 27 有林無家大方の日本人は、毎日、山と木を見て暮らしているが、その木でなぜ家が作られない
  • VIII 未来のトシ
  • 28 千年木家鉄骨造やRC造の寿命は短いが、木質建材の家は工夫次第で「千年家」も可能である
  • 29 流域宇宙源流の息遣いを留めつつ山・里・海へといたる「河川流域中心の新高天原」を作ろう
  • 30 田園都市世界の「一千万都市」は崩壊。日本は百花斉放の「三千の田園都市」をめざすべきだ
  • 31 天地笑生日本の地に立ち天を仰ぎ、皆が手を組んで笑って生きるを良しとする人生を考えよう
  • 展望 「半鎖国日本」の提案
  • あとがき
  • 著者一覧