世界一有名な住宅は、だれが建てたのか?
施主の孫が語るサヴォワ邸誕生の真実。
「至急この家を住めるようにしてください」
「玄関も雨、スロープも雨、書庫の壁はびしょ濡れです」
――ウジェニ・サヴォワ
1929–30年にル・コルビュジエによって建設された世界的に有名なサヴォワ邸は20世紀建築を象徴する建物となった。しかし、この郊外住宅を注文したピエール・サヴォワとウジェニー・サヴォワとはどのような人物だったのだろうか。どうして彼らはル・コルビュジエに依頼したのだろうか。彼らが「明るい時」と呼んだこの住まいでどのような生活を彼らは送ったのだろうか。
ジャン=マルク・サヴォワは彼らの孫にあたる。歴史的な資料と家族の思い出にもとづいてジャン=マルクが語るのは、この邸宅とそこに暮らした人たちの物語だ。さまざまな理由から家族の記録は多く残されていなかった。そして以前からこの建物に魅了されてきたジャン=フィリップ・デロームが――彼自身がここで暮らしたような気持ちで――17のイラストによってこの住宅での生活を再発明する。
戦争中には接収され、農業開発で改修され、最後には世界中の建築家による運動とアンドレ・マルローの支援によって破壊を免れ、ユネスコの世界遺産にも登録されたこの建物は、いまでもその魅力とその幻惑する力とをそのまま守り続けている。
サヴォワ邸の明るい時
2,000円(+税10%)
ISBN:9784306047198
体裁:A4変形・60頁
刊行:2024年12月