明治三陸地震、昭和三陸地震と津波の最高遡上高を記録した大船渡市・綾里(りょうり)は、「津波のあいだ」をどう過ごしてきたか。
2011年に起きた東日本大震災は、私たちが震災に対して持っていた周期的なイメージを強く上書きした。1933年の昭和三陸地震、1896年の明治三陸地震の記録がふたたび掘り起こされたのである。そして、このことは私たちがこれまではっきりと意識してこなかった、「津波のあいだ」を意識させることになった。(まえがきより)
津波のあいだ、生きられた村
3,600円(+税10%)
ISBN:9784306073531
体裁:B4変型・120頁
刊行:2019年9月
- まえがき
- 第1章 綾里
- 津波のあいだと村
- 綾里という地域
- 3度の大津波
- 綾里の昭和
- 無意識の高台移転
- 津波前夜の綾里
- 第2章 空間
- 江戸から明治までの集落と津波
- 「復興地」はどうして生まれたか
- 何がどう動いたか
- 復興地に建てられた家
- 気仙の大工たち
- 第3章 社会
- 綾里という地域社会
- 多様な信仰と人々のつながり
- 生業と経済
- 津波と地域社会
- 綾里という「直線」
- 小石浜の事例
- 第4章 避難
- 東日本大震災時の津波避難
- 災害直後の避難生活の教訓と知恵
- 第5章 復興
- 近代復興と東日本大震災
- 綾里の復興
- すまいの復興
- 復興の手法
- 明けの綾里
- 第6章 継承
- 継承の方法
- 行事に組み込む
- 記録を残す方法
- 津波のあいだの過ごし方
- あとがき