私的でも形式的でもない、人びとの思い思いの居方を許容する「まちの居場所」という拠点概念。その発生・発見から継続されてきた研究の集大成。
1990年代後半、さまざまな「まちの居場所」が生まれた。福祉施設やフリースクール、コミュニティカフェといったかたちをとって出現したそれらは、まちにおける生活の質の向上・改善を目指す「あるじ」によって生み出され、人びとに見慣れたまちの再考・見直しを促した。本書では長期にわたって継続されてきた研究の成果に立脚し、「まちの居場所」発生以後の動きや最新の事例を加えながら、「まちの居場所」をいかに支援・保全・育成・継承していくかに焦点を当てている。

まちの居場所
ささえる/まもる/そだてる/つなぐ
2,800円(+税10%)
ISBN:9784306046757
体裁:B5・176頁
刊行:2019年9月
- はじめに
- Part1 「まちの居場所」をめぐる最新の動き
- Chapter1 「まちの居場所」の広がり
- Chapter2 「まちの居場所」の背景と意味
- Chapter3 当事者による場づくりの時代
- Part2 研究・調査・実践事例を通した「まちの居場所」をめぐる論考
- Chapter4 マギーズセンター——生きる希望を失わせない環境
- Chapter5 パブリックシェルターとしての「まちの居場所」
- Chapter6 フリースクールはなぜ居やすいか——教育制度の境界におかれる「子どもの学びの場」の育て方
- Chapter7 戸外の居場所——居場所としてのまち
- Chapter8 「福祉」の視点で見た「まちの居場所」
- Chapter9 人びとをつなぐプラットフォームとプレイスメイキング
- Chapter10 誰もが役割をもてる施設ではない場所——居場所ハウス
- Chapter11 「まちの居場所」としての公共図書館
- Chapter12 私有を共有する居場所——インドネシアのバレバレ
- Chapter13 使いこなしによって自ら獲得する「まちの居場所」
- Part3 「まちの居場所」の事例と文献の紹介
- Chapter14 「まちの居場所」のアイデアガイド
- Chapter15 「まちの居場所」のブックガイド
- おわりに