鹿島出版会60周年に寄せて、建築家・隈研吾氏にメッセージをいただきました。
僕が大学院生だった頃の1977年、生まれて初めて、建築の雑誌に文章を書かせてもらった。鹿島出版会から出ていた『SD』という、海外の建築を紹介するなどのかっこいい雑誌であった。
若くて、こわいもの知らずで、言いたいことを書き散らした。当時の建築界の大御所であった磯崎新さんも、黒川紀章さんも、メッタ切りさせて頂いた。
もちろん、にらまれたりもしたのだが、そこでの体験が今日の僕を作ってくれたことは間違いがない。当時の鹿島出版会のまわりには、鹿島昭一さん、長谷川愛子(元『SD』編集長)さん、相川幸二(出版会嘱託、元『SD』編集長)さん、さらにおもしろい建築家やデザイナーも集っていて、彼等との「プロレス」もなかなか刺激的だった。
設計も文章も、若い頃に思い切ったことをやって、たたかれるということが、とても重要であるように僕は思う。まわりに気を遣い、炎上をさけるのが建築界のデジタル・リマスターだとすると、そこからはおもしろいものはでてこないだろう。