鹿島出版会と
ブックデザインと
白井敬尚
内田祥哉は語る
本体 3,000円(+税10%)
内田祥哉先生との仕事は『内田祥哉 窓と建築ゼミナール』に続いて本書が2冊目。ブックデザインは構想、構造設計、構成、意匠、施工を必要とする。そしてそのどれもが建築設計に通底するだろう。なかでも構造設計の要「文字組版」は言語伝達の根幹であり、建築構法の巨人、内田先生の言葉をまとめた本書においては一層注力することとなった。さらには伝統と現代への眼差し、その双方を行き来しつつ設計に臨んだ内田先生の姿勢や哲学が立ち現れるような紙面設計を目指した。装幀には自邸のテラスで撮影した2017年初夏のポートレート。控えめだがまっすぐに視線を向けた先生の姿が、この本にはふさわしいと思った。
(しらい・よしひさ/グラフィックデザイナー、武蔵野美術大学教授)